くろねこヤマ子

ナポリの饗宴のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

ナポリの饗宴(1954年製作の映画)
3.7
ミュージカル映画
フレンチカンカン(仏)と
同年に作られた、
イタリアのミュージカル作品。

アメリカミュージカルじゃない
というだけで、
観たくなってしまう好奇心。

ものすっごい数の人が
狭さを感じる空間の中に
ワラワラと現れては
転がるように場面転換する。

その中にキラリと光る
長身小顔の美人あり。
19歳のソフィア・ローレン。
初々しさの中に大物感があり、
起用納得〜と思わざるを得ない。

ナポリにまつわる5つの昔話を
ぎゅっと詰めて繋いでいく
オムニバス形式。
譜面売りを生業とする
貧しい一家が物語を運ぶ。

ナポリ人の人間性を
少々の気ぜわしさもあれど、
歌と踊りでたっぷりと魅せる。

悪い人たちではないな、と。
ついでにナポリ版?
フレンチカンカンも観れる。

華やかだったり、物悲しかったり。
悲哀の中に力強さがあるのは
イタリア映画らしいかも。
カンツォーネはやっぱり強い。

ナポリの踊りといえば
タンバリンという概念しかなかったけれど、
タンバリン多様の後半戦と、
バレエの要素強めのコーダの部分は
素敵だったなー。

舞台装置のような平面的なセットが
いちいち色使いまで可愛い。
モーブパステル調って感じ。

政治的要素なんぞ汲み取らないで、
娯楽として観たほうが吉。