イルーナ

デスプルーフ in グラインドハウスのイルーナのレビュー・感想・評価

3.5
飲み会を終えて家路へ向かうピチピチギャル達。
疲れからか、不幸にも黒塗りの改造車に追突してしまう。
後輩をかばいすべての責任を負ったジャングル・ジュリアに対し、車の主、スタントマン・マイクが言い渡した示談の条件とは…。

タランティーノとロドリゲスによるグラインドハウス企画。
タランティーノ編に当たる『デス・プルーフ』はあらすじだけ見ると、ちょっと黒塗りの高級車コピペを思わせるものとなっています。
上に書いたのは嘘ですが、最後の最後に一転攻勢に出る所なんかそれっぽい。

ですが、パート配分の仕方がとにかく歪!
何たって、作中の大部分のシーンがガールズトーク。
タランティーノ作品の売りと言えば小粋な無駄話ですが、それにしたって、長い、長すぎる……!
最初のギャルたちが犠牲になってようやく話が動き出すのかと思いきや、そこからまた別のギャルたちによる長ーいガールズトークがダラダラ続く!
正直言って、よっぽど好きでない限りこれちょっとキツくないか?というレベル。
それだけに、追突=オーガズムになっている変態殺人鬼が反撃された途端、弱音を吐いて逃げ惑う情けない姿を晒し、それを全力でフルボッコにする展開は爽快、という意見もわかります。
ブッツリした終わり方も、昔の映画の再現と思えば面白い。
ですが、残された子絶対車のオーナーにヤられてるよね……?あとあの車は借りてた奴なのにどうやって弁償するんだ?
そういう疑問が少しでも湧いてしまったら、この映画に向いていないのかもしれません。

また、本作は趣味映画ということもあり、全体的に変態的オーラが漂っています。
変態殺人鬼スタントマン・マイクは言うに及ばず、タランティーノ本人が足フェチなだけあってやたら強調される足。
お尻から太ももにかけてより、踝から先、足指やつま先が特に好きなようで、今回執拗に足先をじっくり舐め回すように撮っているという。
他にも、マイクの前で披露するラップダンスとか、スタントマンのゾーイ・ベルがボンネットの上に自身の体をベルトで括りつけて走るのが好きというのもそれっぽい。
……特に後者、暁生カーかな?

にしても、合作物のタランティーノ作品って、ラスト以外ほとんど見所がない。
溜めに溜めた一転攻勢シーンのおかげで、それまで退屈でも元は取れたと思われているのか高い評価を得ている本作ですが……
ぶっちゃけ総合的に観たらロドリゲスの『プラネット・テラー』の方が面白いよなぁと思います。

追記
2回目は、登場人物の関係が頭に入っているせいかすんなりと観れた……
どこから面白くなるか把握できてる分、2回目以降の鑑賞の方が楽しめるのかも。
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