ベートーヴェンの恋愛遍歴を題材にした、ツンデレおじさん映画の最高峰。「レオン」でキレッキレの演技を見せた時代のゲイリー・オールドマンの力強い"ツン"が冴え渡る。
波乱に満ちた生涯を歴史的名曲に乗せて美しい女性たちとのロマンスを軸に綴っていく、だけでは飽き足りず「この中で本当に愛した女性は誰？」というミステリー要素までベースに加えた意欲的な佳作。
証言で構成された独特なストーリー展開と上品なエロスも映画の魅力を深めており、こうして書き出してみると要素の多さに驚かされる。
一見眠くなりそうな小品のようで実はおもしろ要素が詰め込まれており、それでいて鑑賞後にはしんみり良い作品だったと感じられる上質なエンターテイメント。人間としてのベートーヴェン。最後の"デレ"の威力がすごい。
