もももげ子

エリ・エリ・レマ・サバクタニのもももげ子のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

"神よ、何ゆえに我を見捨てたもうや"
 現代の人間は、色々なことを他人のせいにしたり、何かに依存し、自身と向き合おうとしない人間が多すぎる。
「病気だからしょうがないじゃない!」…病気もまた、言い訳の素。

 人生は楽しいことよりも辛いことの方が多い気がするけれど、だからこそ空が青いだけで幸福な気持ちになったり、朝日が昇るのを心待ちにしたりするんだ。
春夏秋冬を繰り返し、
色んなことを背負って
色んな人の想いを抱えて生きていくのは
やっぱり辛いこと。
でも、自分が生きることで死んだ人の存在も残る。
 現実を見据えた上で、生きる意志があるか?
誰しも悩みはあるし、死にたくなるほど辛いこともある。
それでも"生"に意義を見出し、自分らしく生きられるか??
……ミズイの創る音楽は人生そのものを表現するとともに、そんな問いかけをしているように感じた。

 音楽は、聴く側の心境によって"希望"にも"絶望"にもなるのだ。
ミズイの音楽を"自分の居るべき場所"で聴き、受け入れることが出来たハナは生き残り、耐え切れず耳をふさいだ探偵さんは死んでしまった。

 この映画を観た人は、この映画を希望と思うか?はたまた絶望と思うだろうか??

2006年02月21日 23:20