爆裂BOX

アタック・ザ・ブロックの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

アタック・ザ・ブロック(2011年製作の映画)
4.2
供たちが団地でエイリアンと戦うという設定とエドガー・ライト製作総指揮でニック・フロストも出ている事で楽しみにしていた作品ですが、楽しい快作でした。
主人公の子供たちが冒頭から看護師の女性を襲ってカツアゲする様なガチで悪い奴らなので最初はあんまり感情移入できないのですが、エイリアンとの仁義なき戦いの中で徐々にいい面や子供らしい面が見えてきます。彼らの家庭等もちょっと描かれますが、安易に貧しく悲惨な環境にせずに普通の家庭として描いている所もイイですね。リーダーのモーゼスがエイリアンとの戦いを通して悪ガキのリーダーから責任感のあるリーダーへと成長していく所もいいです。「スター・ウォーズ」で一躍知名度上がったジョン・ボイエガのデビュー作ですが、最初と最後の方で表情などが違って見える所が素晴らしいですね。
エイリアンとの戦いで金属バットやロケット花火、水鉄砲等身近なものを武器に戦う所も楽しいです。団地という地理を活かした立体的なアクション演出も素晴らしい。
話はもっとコメディかと思ったら結構シリアスでクールな内容ですね。ストリートギャングとはいえ子供なので誰も死なないだろうと思ったら次々犠牲者が出るのも意外でした。首喰いちぎられたり、頭に噛みつかれたりと少しながらグロ描写もあります。
襲ってくるのはエイリアンだけかと思いきやギャングのボスの怒りを買って追い掛けられる展開も意外でしたね。
ニック・フロストは子供と一緒に活躍するかと思ったら全然活躍しませんでしたね。
キャラの中ではプロブスとメイヒムのコンビが可愛くて良かったです。最後の方で思わぬ活躍をしますし。しかしギャングに憧れる小学生って…殺伐としてんなぁ(笑)
モフモフして口の中が青白く発光するエイリアンの造形も面白いです。
「アフリカの子供を助けるんだ?へー、ふーん、イギリスの子供は?」のセリフなど現在のイギリス社会を風刺した社会派な一面もあります。でもそっちにあんまり傾き過ぎないバランスの良さもいいですね。
モーゼスがエイリアンに追いかけられながら疾走する様子をスローモーションで映した終盤のシーンもかっこいいですね。
皆がモーゼスの名前を連呼する中、「モーゼス、お前の事だよ」のセリフと二人の笑顔で終わるラストも粋な感じで好きですね。
テンポも良く楽しい作品でした。