くろねこヤマ子

汽車はふたたび故郷へのくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

汽車はふたたび故郷へ(2010年製作の映画)
3.8
縦三列?で
列車に乗る姿は秀逸。
退屈だけれど
嫌いになれない作品。

若き映画監督が
自国の
厳しい規制に耐えかねて
自由を求め、
いざフランスへ。

ところが思い描いていた
映画製作とは程遠く、
夢なかばで自国に戻るという

なんともかんともな物語。

イオセリアーニ監督の
半自伝的作品だそう。
人魚も出てきて
寓話ぽくもある。

過去と現在を交差させながら
多くを語らずゆっくりと描く様。

主人公の飄々とした姿が
この状況が悲しいのか悔しいのか
まぁビックリするほど
伝わらないけれど、
他人の内面なんて
汲み取りにくいものだし、
案外そんなものなのかも、
なんて思う。

検閲三昧ゆえに
故郷を離れざるを得なかった
数多くの人映画監督たちの
ポートレート。
お花畑をローラーで固めちゃうのは
タルコフスキーに向けての
オマージュなのかしら。

作品タイトルが詩的でそそる。
が、実は原題「除外された人」

まさに主人公を現しているけれど
商業的タイトルは、
汽車…が正解なんだろうと解釈。