emily

シンプルメンのemilyのレビュー・感想・評価

シンプルメン(1992年製作の映画)
4.1
 恋人にふらた泥棒して生計立ててる兄のビルと、大学生の弟デニス。二人の父親はかつて伝説的な野球選手、今はテロリストで逮捕され刑務所にいたが、脱走してしまった。二人は父を探す旅にでるが・・

 真逆の性格の二人。その二人の会話はまるでかみ合ってないように思えて、その間を埋めるように鳴り響くギターの調べにより、妙にしっくりと収まるところに収まってる感じ。リズムにのるように、まるで詩の一節を読むように会話は進んでいき、その雰囲気に徐々に惹きこまれていく。

 赤と青のコントラストが全編を通して美しく、真逆であってやはりどこか共通する部分があって、道中で出会う人出会う人どこか”普通じゃない”。しかしその絶妙なズレが思わぬ調和をもたらし、平手打ちの連鎖など弟と兄のエピソードを交互に描き、良いリズム感をつねに保っている。

どこか詩的で、愛とミステリアスが良い温度で交差する。まるで演劇を見ているように、映画でありながらどこか生々しさを感じさせる。シンプルな言葉も間をもたせることで意味深に、深みを帯び、青白い色彩の中で繰り広げられるダンスに魅了される。まるで独りよがりな言葉やダンスの一つ一つが、今作にしか作り出されない空気感とテンポで、抜群な配置は観客もしっかり惹きこんでいく。

 言葉に理由なんてない。ダンスに理由なんて必要ない。物事は思うよりシンプルだ。楽しいから。それでいいのだ。。