Otun

二十四の瞳のOtunのレビュー・感想・評価

二十四の瞳(1954年製作の映画)
4.8
気づくと近頃の観た映画が高得点続きのインフレ状態でわが事ながらバカみたい。
恥ずかしい。でも、まぁ、いいや。率直率直。幸せです。
選挙の夜に『この世界の片隅に』と続けてこちらを再見。初レビュー。
木下恵介作『二十四の瞳』。

そりゃあ、最高。
モノクロでも伝わる、瀬戸内海に浮かぶ小豆島の風景の美しさ。
全編に流れるニーノロータの様な唱歌の調べには、誰しもが心のどこかにある郷愁を喚起される。
真っ直ぐな12人の子供の二十四の瞳。
先生に会いたくて会いたくて、子供だけで会いに行く、なんて、そんなのおじさん(齢41)涙腺ガバガバになるわっ。なるに決まってるわっ。

そして何より、全てを受け止め、包み込む、高峰秀子さん演じる愛の深い小石(大石)先生が素晴らしすぎるっ。そっからの先生を辞め、戦争下で強くなる母親への変化。老年。
きゃー、スゲスゲー、とんでもねー。

時のうねりの中で、翻弄される人々。その触れあい。
ラスト。チャンピオンベルトの様に輝く、自転車。仰げば尊し。
こんなにも世界は美しいもので溢れてんだ。
たまらんたまらん×100。
Otun

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