風ノ助

赤い影の風ノ助のレビュー・感想・評価

赤い影(1973年製作の映画)
4.0
湖面に映る赤いレインコートの少女
ガラスを踏む小さな弟
血のように滲む写真
不吉な予感で外に飛び出す父親

掴みもバッチリ、伏線も詰まっていて少ないセリフで見せる素晴らしいオープニングシークエンスでした

その後仕事で訪れたベネツィアでは未解決の連続殺人事件が起こっています
同じように見える暗い路地に迷い込んでしまったり修復する教会の銅像が不気味だったりとなんだか不安な気持ちにさせられます

娘の死に囚われている父親は街の中に娘が着ていたレインコートのような赤い影を何度も見つけてしまいます
それ以外でもマフラー、洗濯物、通行人の服、キャンドルカバーなど劇中何度も赤い色がチラつきます、燻んだ街並みに映える美しい映像です

味方なのかどうかわからない霊媒師に不吉な予言をされたり意味のわからないカットが差し込まれたりと最後まで観ないと現実的な事件なのかオカルトホラーなのかわからない作りになっていてすごく引き込まれました
風ノ助

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