Kou

ヘラクレスのKouのレビュー・感想・評価

ヘラクレス(1997年製作の映画)
3.7
この作品、観たことない人多いんじゃないでしょうか?『アラジン』『美女と野獣』など、後世に残る名作が制作されていたディズニー・ルネサンス期の作品ながら知名度の低い本作。
しかし本作にも、秀逸なキャラクターや楽曲が多く生まれている作品なので、未見の方は要チェックです。



わかりやすくデフォルメした神話のキャラクターがなんとも愛らしい作品。内容は原典とかけ離れてはいるものの、子どもにギリシャ神話を面白おかしく知ってもらうには適した改変で、詳しくなくても親しみやすくなってます。



また、その中でも優れているのは、冥界の神ハデスやメグなど、ヴィランズのデザイン。悪役だけど思わず応援したくなるような個性あるキャラクターが多く出てくるのも本作の特徴ですね。



特にハデスは、ディズニーのパレードなんかにも登場する大人気ヴィランの一人。喜怒をあらわす炎の髪に(本人曰くカツラ)スタイリッシュな姿。ちょっと陰気だけどユーモアあふれるしゃべり。マヌケな子分とのコミカルなやりとり。「この作品の魅力の大部分を担っている」と言ってもいいくらいのキャラクターです。



そしてメグ。彼女は他のディズニープリンセスとは違い(陰ある大人の女性)っていう珍しいコンセプトのキャラクター。
過去のある出来事から男性不信になりハデスの手下となった彼女が、まっすぐ純粋なヘラクレスと恋をすることで立ち直っていくというストーリーは、世の女性の共感をえていますよね。



また、メグが歌う「恋してるなんて言えない」は必聴。ヒロインと悪役との間で揺れうごく心をうたった『ヘラクレス』の大人気ソングの一つです。(吹替版の工藤静香カバーがおすすめ)



ゴスペルとギリシャ神話を合わせたアップテンポな曲から、アカデミー賞ノミネート曲まで、たくさんの名曲が隠れた作品です。
(『リトル・マーメイド』の「Under the Sea」や『アラジン』の「A Whole New World」を手がけたアラン・メンケンが作曲してます)
ちょっとでも気になった方はぜひ曲だけでも聞いてみてください。(下記にリンク有)



「ゴー・ザ・ディスタンス」
ヘラクレスが出自を知り旅に出る決意をする歌。育ての親とヘラクレスの表情がなんとも言えません。吹替版は上手くはないですが気持ちがこもってて自分は好きです。アカデミー賞ノミネート曲。
(https://m.youtube.com/watch?v=8GdcYJ9nrQ4)



「恋してるなんて言えない」
メグがヒロインと悪役との間で揺れうごく心をうたった歌。なかなか本音を話さず強がっていたメグの本当の姿が垣間見れます。女性人気の高い曲。『ホーンテッドマンション』のパロディシーンもあるとかないとか。
(https://m.youtube.com/watch?v=F0khrmfhpek)



「A Star Is Born」
ラストソング。メグのためにある選択をしたヘラクレスを祝った歌。曲中、あるぶさいくなキャラが一瞬涙を流すんですが、その演出がずるい。本作を観きった人にだけわかる感動シーンですよね。
(https://m.youtube.com/watch?v=VCw1KY3hOSE)



2019年7月15日 25本目
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