どーもキューブ

砂丘のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

砂丘(1970年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ミケランジェロアントニオーニの僕の砂が空に舞う、、、

 砂丘の砂粒、人々、



 2009年5月18日 16時34分レビュー



ミケランジェロアントニオーニ脚本(他三名)監督。

アメリカワーナーブラザーズに渡りイタリアの巨匠アントニオーニ。

一見すると彼の作風は自己満チックな展開で

「理解不能」

の言葉とおりな世界。

娯楽を求める方はお勧めしない。

彼の映し出す本作の砂丘は、なにか虫のようなちっぽけな人間像が映し出される。

主人公が抜け出したくだらない学園闘争や現実性の縛り。

それを解放するかのごとく二人だけに広がる砂丘。

二人だけのアイランド、ラブランドが広がる。

正直同じワーナー作品「欲望」より

本作の放たれた映像感覚が馴染んで心に入った。

アントニオーニが度々描く「空」や「飛行機」のモチーフ。

本作では存分に描いている。

余りにも美しいヒロイン。

悪い子供達、ダイナーの老人。呆気ないラスト

面白くないラストにことさら僕は惹かれてしまう。

ラストの彼女が見た物に僕が癒されたのはいうまでもない。

この面白くない現実を逃げた2人の見た砂丘は愛と失意にまみれた砂粒のようだ。

アントニオーニが中年の今になって出会えた事に感謝!

嫌いな人は多分十分ともたない世界観であろう。アーそんな時は、すぐ視聴停止だよ!


追伸
飛行機をみてヒッチコックの「北北西に進路をとれ」を思い出した。


今の追記
これは、僕の中の黒いものが、砂丘の中の砂のように空に散り

なんとも気持ちが良かった。

言葉では、言い表せない気持ち

それは論理的な狭いロジックを行ったり来たりする、小さなもんでわないのだ。

アントニオーニが、解放してくれたこのポイント、ザブリスキーポイントに、僕の心が沈殿したのかもしれない。

「バニシングポイント」
と共に私の心を軽くした大事なくだらない風景映画なのだ!
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