爆裂BOX

吸血鬼ドラキュラの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)
4.4
ハマー・プロによるドラキュラシリーズ第一弾。再見ですが、やはり素晴らしいですね。テレンス・フィッシャー監督のスピーディーでサスペンスフルな演出は飽きさせません。吸血鬼化したるーじーの胸に杭が打ち込まれた瞬間噴き出る血しぶきなど当時としてはかなりの残酷描写だったんでしょうね。
本作で一躍スターになり、その後のイメージも決定づけたといえるドラキュラ伯爵役のクリストファー・リーの演技も素晴らしいですね。実際貴族の血をひいているだけあって気品とカリスマ性に溢れ、それでいて口から血をたらし目を見開き髪を振り乱して襲い来る姿は獣のような荒々しい迫力を備えています。高身長にマント姿も非常に映えますね。
対する主人公であるヴァン・ヘルシング教授役のピーター・カッシングのシャーロック・ホームズを思わせる知的な風貌が吸血鬼胎児のプロとしての説得力に一役買っていると思います。ドラキュラとの格闘戦など激しいアクションもこなしています。特にラストのカーテンに飛びついて引きはがすシーンは名アクションシーンですね。
ジョナサン・ハーカーがドラキュラ城を訪れる理由が不動産の仕事ではなくドラキュラ退治の為だったり、そのジョナサンが序盤で餌食になったり、ジョナサンの婚約者だったミナがアーサーの妻で、そのアーサーの婚約者だったルーシーがアーサーの妹でジョナサンの婚約者になっている原作からの改変部分も面白いですね。
ラストの灰になるドラキュラは今の目線ではさすがにチープですが、独特の味があります。
傑作と呼ぶにふさわしい作品だと思います。