とらキチ

グッドフェローズのとらキチのレビュー・感想・評価

グッドフェローズ(1990年製作の映画)
4.5
「午前十時の映画祭11」にて鑑賞。
少年の頃からギャングに憧れ、その仲間入りを果たした一人の男の半生を実在のモデルをベースに描く。
「ゴッドファーザー」がマフィアの理想を描いたものならば、今作はマフィアの現実を描いた、といったところか。スコセッシですしね。
145分の尺ながら、テンポと劇伴が最高で、一時もダレることなく一気に見せてくれるのはさすが。スコセッシですしね。“コパカバーナ”ショットとかメチャクチャカッコ良くて素晴らしい。
やっぱり超怖いジョー・ペシのお芝居!世の中、ああいうコンプレックスを抱えた人間が1番ヤバい。実社会でもよく見かけるし、大体はポーズで済むけど、ホントに手が出ちゃう人は本当にヤバい。そのヤバさを見事に体現していた。
主人公が純粋なシチリアンではなくて、アイリッシュ系だったのがやはりこの物語のポイントでは。同じカトリック同士であるものの、どうやってもマフィアのファミリーに入る事は出来ず、常にアウトサイダーであるという境遇。その境遇をジミーと分かち合うのかと思ったら、結局はそれすら裏切るという…実際の組織内の立場も低く、周りから尊敬されないようなクズ野郎からの視点がリアリティを増していた。今作のフェアウェル的な作品で、やはりマフィアとアイリッシュの関係を描いている「アイリッシュマン」をもう一度見たくなる。
惜しむらくは、個人的にレイ・リオッタの顔付きが受け付けなくて、観ててイライラさせられたこと。あの愛想っぽい笑い方とかムカつくわぁ…って思いながらずっと観ていた。あんなところでヘンリーの小物感を上手く表現していたのかもしれない。
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