武蔵またもや説教を受ける。今回は刀研ぎ師からの説教で、より斬れるようにするために刀を研ぐことはできん、私は刀ではなく侍の心を研ぐ、と禅問答的説教。前作で子供を切り殺した贖罪か、孤児を引き取り百姓として日々を送る。有名な箸で蠅を掴むエピソードも挿入される。指南役の話が舞い込むも、吉岡道場の子供を手にかけたことから話は流れ、そして有名な佐々木小次郎との決戦へ。この佐々木小次郎戦はご存知の通り、もはや常套手段の、約束の時刻に遅れていき相手を揺さぶる。そして、小次郎破れたりと、鞘を捨てたということは本心では負けると思ってんだろと煽り、心理戦を仕掛けるという外道剣であっさり勝利するも、血にまみれた己の人生がフラッシュバックし、今まで戦ってきたことの虚しさしか残らないという、観てる方も作中の中村錦之助みたいな顔になって終わっていく。
前作が当たらなかったことから予算が減らされて何とか作られた本作。槍相手に佐々木小次郎が手合わせするシーンは、始まったとたん相手の足元だけを延々映し出す、分かりやすいぐらいのごまかしっぷりに笑ってしまった。高倉健は悔しかっただろうな。
武蔵とお通の関係が、抱き合うもすぐに振りほどき滝に打たれる武蔵と、完全に我慢プレイの一環で、正直こいつら変態だろ。
このシリーズ全部見終わって、『空手バカ一代』で大山倍達がヤクザを正当防衛で殺して、贖罪としてその子供と母親と一緒に農業やるのは、吉岡道場の子供切り殺した贖罪で、出会った孤児と一緒に百姓やる武蔵が元ネタかと思った。
