どーもキューブ

ミステリー・トレインのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ジムジャームッシュの繋がる時エルビィスの夜


ジムジャームシュ監督
三話オムニバス。
といっても劇的な仕掛けや伏線の嵐があるわけではありません。なんせジャームシュだけに、ほのぼのエピソードのドッキング。ホテルのカウンターにスクリーミンジェイホーキンスとスパイクリー監督の弟サンキーリー。(全話出演)

永瀬さんアンド工藤夕貴の「ファーフロムヨコハマ」は良かった。
エルビィスの好きなカップルを二人が演じています。
永瀬さんのライターのつけ方が格好いい。二人のトランクがでかいのもイー。(ともに二人相米慎二監督に出ているのがキーポイント)
以上2008年11月レビュー

追記
ニューヨークインディーズ派閥から今もなかなかメジャーにいかず、独自の映画製作をしているジムジャームッシュ。ここにおそらく「台風クラブ」の工藤夕貴と「ションべンライダー」の永瀬正俊が、出演する。相米慎二監督の功績がアメリカで花開く。思いっきり日本語のふたり。エルヴィスへの愛。
「ナイトオンザプラネット」のお国柄タクシーオムニバス。「コーヒー&シガレッツ」のダイナーだべりオムニバスにつながる短編的映画。
またジャームッシュのオムニバスがみたいなあ!
以上追記執筆日失念。



ジムジャームッシュ監督のプレスリーホテル


1989年
製作JVD。
脚本監督ジムジャームッシュ。



コロナ禍あけ一発めにみたジムジャームッシュ監督「デッドドントダイ」。ジムジャームッシュ初劇場体験がゾンビ映画というなんとも変な感じがした。だってニューヨークインデペンデント発祥。ミニシアターを席巻した監督が絶対間違いなく撮る気持ちがないゾンビ映画を魅せてくれるとは思ってなかった。また「デッドドントダイ」はユニークなゾンビ映画だった。ホッとしたジムジャームッシュ作品だった。

そんなNY出身ジムジャームッシュ監督。

唯一持っていたのが永瀬正敏、工藤夕貴出演「ミステリートレイン」大好きな1作だった。1989年の80年代後期。ギリギリ90年代初頭。

持参DVD鑑賞してみた。



いやあ面白かったなあ。この俳優のチョイスだけで見ても見たことない。今見てもフレッシュ、新鮮なこと。まず断然キャストが凄い、配合、リミックス感覚が今見ても試験的刺激的に凄い。
日本から永瀬正敏、工藤夕貴。
ミュージシャンからジョーストラマー(クラッシュボーカル)、スクリームジェイホーキンス、トムウェイツ(ラジオの声。クレジット見て知る)

冒頭は、いきなり永瀬正敏と工藤夕貴。赤いスーツケースとキメキメにキメている2人。永瀬さんの火のつけ方が格好いい。
赤いスーツケースに「カールパーキンス」とある。

永瀬と工藤のロックの話し。どこに行くのか話し。話しかけられ片言で返す感じ。日本丸出しの若者2人がアメリカ映画でドラマを披露するだけで絶対的に見たことないし、嬉しい。

デカイ真っ赤なスーツケース。男が力ずくで持ったり、女性がわめいたりせず。スーツケースに竹の棒を通して前後に持つ。この仲むつまじさ。この持ち方はこだわったんだろうなあと想像する。

ホテルの部屋のキスシーンは裏有名なシーン。宣材写真にもあるやつ。からのセックス。わりと普通な絡み。ジムジャームッシュ作品では初か?!絡みシーン。

その後本作の「落ち」的音がなり2人はホテルを出ていく。

以後この「落ち」的音はミステリーにかわり、何だろうあの音は?と頭に渦巻く。そして次のエピソードへうつる。

2話めのヨーロッパ女優は、「ダウンバイロー」出演ロベルトベニーニ奥さま、ニコレッタブラスキ。

やからに絡まれたりエルビスに絡まれたり大変。わき毛がもっさりあって、ヨーロピアンをあの毛の
から強く感じたのも事実。
雑貨屋では言いくるめられ読めない雑誌を大量に買い込む。握りきれない、持てない量を持ちながらうろうろするメンフィス。
そこで謎の話しをきき男2人に絡まれる。
そんなこんなで絡まれホテルへ。
レジのスクリームジェイホーキンスから逃げるよう出ていく女性と出会う。その女性言うには「同室で泊まりたい」という事だった。ニコレッタは、オーケー一緒に泊まりましょと。
ホテルに入り2人の身の上話しがはじまる。そこで「ゴースト」に出会う。

3話オムニバスだが、3話ともテイスト違う。エルビスのいたメンフィスらしいが、3組ともはじまりも、終わりも違った。

舞台はメンフィス。エルビスプレスリーがいた土地だ。ホテルにも肖像画がかかる。
メンフィスはロック発祥、エルビスプレスリーの発祥地なのだ。「ミステリートレイン」もエルビスの曲から来ている。また音楽も流れる。
ロックの物語だが、どこまでもどこまでもひたすら「間接的」「環境要因」でしかない。そこがジムジャームッシュなのだ。

3話め、ジョー、ブシェミ、リックアビィレスの泥酔3名。(ジョーストラマーとリックは亡くなっている事にも調べてびっくり)

ホテルでこの3組が間接的に出会う瞬間がある。出会いとうか同じ時刻を過ごす瞬間がある。これがなんかの有名名作にある技法のようだが、。とっても面白い。ある意味自制ずらしに近いのだが。

3者の「その瞬間」にむけて映画は進んでいく。このミステリーが溶ける瞬間なじわりとした面白さで印象的だ。

イギリス人イギリス人言われるジョーストラマー。離職で腐る。銃もったり、場の雰囲気に水をさしては、なだめられる。

そのうち義弟のスティーブンブシェミが表れ。事件は起きる。ここでは、サラっと人種差別を描いている。とても素晴らしい。よくあるあるネタなんだろう。

困りはてた3人はホテルにかくまってもらう。そして2話で出てきた「落ち」的音のミステリーがわかる。なんてことない落ちだけど。

そしてそれぞれのエピローグが挟まれる。

サンキーリー(スバイクリー弟)とスクリームジェイホーキンス。3つのドラマをつなぐミステリーホテルの2人。ホーキンスの「服は人格をつくる」は明言。真っ赤で完全ルパンかコブラ。この2人の掛け合いも面白い。



さて
ジムジャームッシュが魅せる
エルビスホテルにて

やっぱりとてもオリジナル
どの映画でも見たことないオムニバス
つまり素晴らしい映画だった。なんだよこの映画って思う。タランティーノが撮れるか?スバイクリーが撮れるか?ジムジャームッシュ監督だから癖強い独自性。面白かった!

ジムジャームッシュファンは必ず見て欲しい!
わたしの大好きな作品でした。

追伸
3レビューリミックスでした。
28いいね押ししてくださった方ありがとうございます。またすいません。

ジムジャームッシュ熱が2020年上がってる事は確か。未見ジャームッシュ見ていきたい。
どーもキューブ

どーもキューブ