(2010年5月10日@銀座テアトルシネマ)
天才劇作家ダ・ポンテがの生い立ち、モーツァルトに出会い、傑作オペラ『ドン・ジョバンニ』の誕生を描いた歴史ロマン。
[あらすじ]
18世紀,ユダヤ人としてヴェネツィアに生まれた少年エマヌエーレは,洗礼を受けて,キリスト教に改宗し,ロレンツォ・ダ・ポンテと名乗り,聖職者の道に進む。
成長したロレンツォは,放蕩の限りを尽くし,教会よりヴェネツィア追放を言い渡され,ウィーンの宮廷音楽家・サリエリの元に身を寄せることになる。サリエリを通じて、皇帝ヨーゼフ2世に劇作家としての才能を評価されたロレンツォは,モーツァルトとともに新作オペラをつくることになる。互いの才能に薫陶を受けた2人は今までにない最高のオペラをつくるべく,日夜心血を注ぐのであった。
[感想]
モーツァルトの視点で描かれた作品かと思いきや,台本作家のダ・ポンテの視点で描かれた作品で,モーツァルトの伝記はいろいろなところで取り上げられる機会は多いので,ダ・ポンテにスポットを当てたという点でとても新鮮であった。
また,こういう歴史モノは当時の生活風習がどこまで再現できるかが1つの見どころなのだが,なかなかディテールにこだわっているのがわかるのだが,映像は残念であった。ロケは一切行わずすべてセットで,しかも巨大背景画を背景にしているのがバレバレなのは興ざめであった。せめて本棚くらいは本物を使ってほしかった。
内容的には申し分ない。
『ドン・ジョバンニ』のハイライトとなる曲をじっくりと聴くことができ,『ドン・ジョバンニ』そのものも楽しめる作品になっている。
ダ・ポンテの恋人・アンネッタ役の女優さんはとても美人だった。