日露戦争を生き抜いた強靭な生命力をもつ元陸軍軍人・不死身の杉元とたくましく生きるアイヌの少女アシリパによる日露戦争直後の北海道を舞台にアイヌの金塊をめぐる歴史ロマン・サバイバルアドベンチャー。
原作の漫画は完結しており、アニメ化作品も次のシーズンで完結する予定で、今回実写化されたのは、プロローグの部分のみで、続編は反響次第といったところのようだ。
ビジネス的にはお試しで作ったのかもしれないが、全体としては原作に比較的忠実かつ、説得力ある仕上がりで、このクオリティが維持できるのであれば最後まで制作してほしいレベルだ。
ゴールデンカムイは物語の主軸は歴史ロマン、サバイバルアドベンチャーなのだが、アイヌ文化の紹介、グルメ、ギャグなど要素がてんこ盛りなのだが、限られた尺の中に一通りのエッセンスは収められていた。本来はこの作品の重要エッセンスでありながら意外と忘れられがちな杉元や鶴見中尉の狂気連なる日露戦争の闇の部分が丁寧に映像化されていた。
先行してアニメ化されていたこともあり、声はともかく、言い方やせりふ回しは概ね声優さんの演技が踏襲されていた。山崎賢人演じる杉元はちょっと若々しすぎたかもしれない。一方、山田杏奈演じるアシリパと玉木宏演じる鶴見中尉は表情も含めて原作・アニメのイメージにピッタリあっていた気がする。とはいえ、続編を作るのであればアニメとはまた違った解釈や表現でなるほどと言えるような映画版のオリジナリティも見せてほしい。
