二人の姉に振り回されてきた5歳のジャックは、待望の弟ジョーが生まれ、両親からはジョーは「特別な」存在であることを知らされ、ジョーはスーパーヒーローだと思い込んで有頂天になっていたが、ジョーが大きくなるにつれ、ジョーはダウン症で、「特別」の意味を理解していき、疎ましく思うようになる。生まれ育った町から離れた高校に通うことになり、家族のことを知らない友人たちに弟の存在を隠し、嘘をついたことで、家族や友人を巻き込んだ事件に発展し、大きな挫折を味わう。
映画紹介サイトの分類や予告編ではコメディと紹介されているが、日本人の感覚からするとそうなるのかもしれないが、あらすじに続くプロットを追っていくと、コメディの部分は味付けに過ぎず、むしろ王道的な青春ドラマ。主人公が思春期に障害をもった家族と向き合う話という点でフランスの『エール!』(アメリカ版『Coda コーダ あいのうた』)に近い。
弟をめぐって大きな失敗をして挫折を味わうものの、周囲の仲間や家族により立ち直っていく話というのはすぐにわかる。名前は忘れてしまったが、一緒によその町の高校に通うことになる友人がとても印象的。本当の友人はかくあるべし。
久しぶりに傑作の実写映画に出会えた気がする。