みちろう

青春群像のみちろうのレビュー・感想・評価

青春群像(1953年製作の映画)
4.1
5人の青年の大人になりきれない日常

ティーンエイジャーの青春モノはよくあるけど、これはいい歳した20代の大人たちが地元を離れずに親友と相変わらずつるむ物語。

演劇作家になりたいインテリくん、どこでも知り合った女性に着いてくスケベ、マザコンとシスコン気味のやつ、歌が上手いやつ…名前と見た目はなかなか覚えられないものの人間味が溢れるキャラクターが揃っている。

それぞれの悩みや夢を追ってストーリーは展開していくが結局一人を除いて彼らは元の日常に戻ってしまう。終わり方としては何かしっくりこないし、これがネオリアリズモに影響を受けたものなのかイタリア式の青春なのかフェリーニ監督が何か示してるのか、ハッキリとしたことはわからないけど、物語っていう型にはめようとしてない作りが現実的で共感できる。色々と郷愁ある作品だった。

フェリーニ監督らしい愉快なカーニバルが出てくるのも見どころ。
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