ねーね

秒速5センチメートルのねーねのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
4.0
過去や思い出は、時が経てば経つほど美化される。そういう気持ちをとてもうまく表現してる作品でした。

遠野くんが大人になっても何かを追い求めていて、空虚な気持ちで毎日を送り続けているのは、もう手に入らない「あの日の一瞬」を忘れられないからだよね。
たとえ大人になった今、明里に会えたとしても、彼の気持ちは満たされないと思う。
電車ではるばる会いに行って、泣きそうな思いをしてようやく大好きな彼女に会えて、最初で最後のキスをした、あの時間の輝きが忘れられなくて、でもその輝きはもうどうやったって手に入らないから。
明里はもう前を向いて、彼のことは過去の思い出として生きているのに。彼だけ取り残されたまま。
青春は青春だからこそ美しいのであって…だから大人になるのは切なくてやりきれないんだな。と。しんみり。

山崎まさよしの歌が信じられないくらい切なくて、心に響いた。
映像の美しさはもはや言葉にできないくらいです。
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