このレビューはネタバレを含みます
やっぱり70年代ホラーって良いよね。
90年代以降の作品やジャパニーズホラーと比べたら、直接的な怖さはないんだけど、圧倒的に味がある。
なんだかんだ、悪魔の子は直接は手をくださないんだよ。
この「何もしてないようにも見える」ってのが意外と深いなぁと。ここにある余白。
頭に666を見つけたら、赤の他人の助言を信じて状況証拠をもって愛してきた息子を殺めることができるのか。
そんな人間心理を天秤にかけるような問いかけも内包されているし、もっと広く、政治の世界には裏で手を引いている人間がいるという暗示っぽくもある。
権力側に紛れ込むことができれば、引用をされていたように、きっかけを与えるだけで人間は勝手に争ってくれるのだから。
以前、HEY!HEY!HEY!でダウンタウンに、1999年になったら本当に地球征服ができるのかと問われたデーモン閣下が、地球征服の定義を問われ、「我々の意のままに人が動くことだな」と苦し紛れに言っていて苦笑いしたものだけど、悪魔社会の常識だったんですねこれ。
ダミアンの最後の笑みは、計画が順調に進んでいることを物語っているわけだもんな。
笑顔で手に入るものと恐怖で手に入るものを知っている。
この作品は、音楽は言わずもがな構図がいちいち魅力的でした。
さらには、死に様のショッキングさね。どれも印象的なシーンだったけど、初めの乳母の首吊りがなかなかのインパクト。
オーメンとシャイニングのおかげで、目を飛ばしながら三輪車を夢中で漕ぐ少年を見ると、バリカンで頭の毛を刈り上げたくなるよね。