シエル

どですかでんのシエルのレビュー・感想・評価

どですかでん(1970年製作の映画)
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人間のなんと下劣で愚かなことよ。

原作を読んでいないので、勝手なイメージで“ちょっとした人情話”みたいなものかなと思って見たらとんでもなかった。

舞台がおそらく戦後間もない頃とあって、人々の逞しさの底に、抗いがたい何かの影のようなものがある。

すべてを超越する存在としての六ちゃん。
人間の存在をそのまま受け入れる、慈悲の権化のような老人。

世界には常に光と影が存在する。
人はその中を生きて死ぬ。
シエル

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