悪魔の毒々クチビル

ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクションの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.9
"サルでも分かるフォース"

災難続きでクビになったスタントマン兼警備員DJとワーナーを解雇されたダフィー。ある日DJの父が本物のスパイであることを知った彼は、ダフィーやバックス、そしてダフィーを連れ戻しに来たワーナーのケイトと父の任務を代わりにこなすことに。

ルーニーテューンズのキャラと実写のコラボってこの頃は「スペース・ジャム」しか知らなかったんだけど、他にもあったんですね。
しかも監督がジョー・ダンテで主演がブレンダン・フレイザーとは。
あちらとは違い今作はルーニーテューンズの様なアニメキャラも現実世界で共に生活している設定ですね。

実写でアニメの大袈裟なノリをやっているのでそのノリが合わないと終始苦痛だと思いますが、俺は結構好きでした。
実写世界で暴れるバックスたちは勿論、俳優たちも中々頑張っていてブレンダン・フレイザーのズボンだけ飛んでいくシーンとか普通に声出して笑ってしまいました。
因みに彼が演じるDJは「ハムナプトラ」でブレンダン・フレイザーのスタントをやっていたという、メタ設定も。

今作、こういった小ネタやメタなネタが非常に多くてそれも面白いです。
実は本物のスパイだったDJの父親役がティモシー・ダルトンってのも完全にネタですし。
ロジャー・コーマンまでカメオ出演しています。
個人的には「スクービー・ドゥ」のキャラが実写版のキャストのマシュー・リラードに文句を言っている場面とか、こういう世界観ならではで笑えましたね。というか実写版「スクービー・ドゥ」って子どもの頃普通に楽しんで観た記憶があるんですけど、世間的には完全に失敗作扱いなんですか。ちょっとまた観てみよう。
途中でエイリアン系の生き物が何体か出てきて見た目が無駄にキモ怖いなーって思っていたんですけど、調べたら全員他のSF作品のキャラだったらしくて。どんだけ細かいんだと。
あとまさかの「スペース・ジャム」ネタまでねじ込んでいました。

お話自体はシンプル&おバカそのもの。人類を何故か猿に変えてしまう光線を放つ宝石を巡ったドタバタですが、それで良いのだ。
敵役にはオネエキャラのスティーブ・マーティン。
部下の超脇役でロン・パールマンが出ていますが、存在感が全然脇役じゃなかったです。あと、中盤辺りでとんでもない状態になります。

アニメキャラたちは絵の中だったら自由に行き来出来るという特性があるので、ダフィーたちが有名絵画に潜り込みながら繰り広げる逃走劇も中々面白かったです。
二回目を吹き替えにしてみたら、バックスの声が山口勝平さんでダフィーが高木渉さんと「スペース・ジャム」と同じ人選で懐かしさが込み上げて来たので吹き替えでもちゃんと楽しめました。

2003年の作品ですが俳優とアニメキャラのやり取りに違和感が殆ど無いのは凄いなと思いました。
もう少し突き抜けた展開があれば尚良かったんですけど、充分面白かったので満足です。
ジョー・ダンテ作ってことで、序盤にディック・ミラーがちゃんと出演していたのも微笑ましかったですね。