おばけシューター

ベイブのおばけシューターのレビュー・感想・評価

ベイブ(1995年製作の映画)
3.8
クジラやイルカは食べてはいけないと主張する人がいます。その理由のひとつに賢いからというものがありますが、それはさておいても最近はどうやら豚も賢いらしい事がわかってしまいました。

豚はゴリラやマントヒヒですらクリアできなかったミラーテスト(鏡に写った自分を自分と認識できるかの試験)に合格し、
さらに「相手の立場で考えられる」と言うこともわかってきました。具体的には、自分だけが知っているエサの隠し場所に気付かれないように、他の豚がいる時はその場所に近寄らないと言った行動が観察されています。これはほとんどの生き物にとって難しいでしょう。

はてさて困りましたね。品種改良で、よりINTの低いオーク豚でも作りましょうか。
結局どんな環境団体も、そんな主張はしていません。人の都合次第で、食肉にも牧羊犬にも転んでしまうと言うことに、豚たちが気づいてない事がせめてもの救いでしょうか。

そんな問題に真っ向から立ち向かった…わけでは無い本作は、そんなつまらないことは考えてなかった子どもの頃から慣れ親しんだ作品デス🥳

遠足のマザー牧場でガラの悪いウールたちに例の呪文を唱えまくり、全員脱走させました。
まさか本当に効果あるとは…

子豚は成長が早くベイブ役のブタは46匹いたという話をネットでよく見ますが、本当でしょうか?上映時間換算で1匹あたり2分。事実だとすると、よっぽど撮影に苦労していたことが窺えます(彼らはその後はどうなったのでしょう。もし食べられてたりしたら、アイロニーが過ぎてますね…)

いま改めて観ると、所々ぐぬぬ…と感じる場面があり、これは結局のところ現実でのブタは食べるための家畜ということから来る罪悪感だと思った。ホゲットさんも、ベイブが牧羊豚としての能力を示さなかったとしたらやっぱり食べてたんじゃ無いの?とか、他の豚も本当はベイブみたく賢かったら食べたくないな…という気持ちがよぎってしまう自分に感じる罪の意識というか。本作はあくまでファンタジーですが、そんなことを考えさせられる要素が含まれているのも事実だと思うです.

なんか穿った話ばかりになってしまいましたが、本当は今みても素直に楽しいんですけどね。

最後のコンテストシーンなんか最高。
手のひら返しで全員が満点ってなかなか極端ですが、そうとしかいいようのない完璧なシゴト!
賢くない動物から食べられるのであれば、ベイブより僕が先にソテーにされるのは間違いないでしょう。