Kou

ミッション:インポッシブル3のKouのレビュー・感想・評価

4.5
《毎週 月(水)金 21頃更新》
マクガフィン、今日覚えた単語です。
使いこなせたらかっこいいですよね。
なので今日はその覚えたての単語を
使ってレビューしていきます。
そして今日のレビューはバカ長いので
先に謝っておきます、ごめんなさい。



最新作『M:I/フォールアウト』を観て
改めて本作の良さに気づけました。
最新作を観る上でキーとなってくる本作。
ぜひ皆さんも観なおしてみてはいかがでしょうか。



〈あらすじ〉
第一線から退いたイーサンは、病院で知り合った女性ジュリアと幸せな婚約生活を送ろうとしていた。しかし、自分の教え子である女性エージェントが、IMFの長年の宿敵である武器商人デイヴィアン捕獲作戦に失敗し、拉致される。彼女を救助するためにベルリンへ飛んだハントたちだが──



大人気『M:I』シリーズの第3作目。
監督はJ・J・エイブラムス。
今や『スター・ウォーズ』の監督を任され、
『アルマゲドン』や『LOST』も手がけている。
なんと今作初監督らしい。やっぱすごいねこの人。



全シリーズを観て改めて思ったのは、
どの作品にも爆発的な魅力があったということ。
本作でいえばまず(守るべきもの)の登場。
婚約者ジュリアの存在により、
クールなイーサンがオープニングからあの表情。
これは全シリーズと比べてみても
かなり衝撃的なオープニングでしたよね。



また、婚約者ジュリアの登場によって
生死をかけた戦いの中にある小さな幸せが
一際際立ってくるのも本作ならでは。
最たる例は、病院の一室で行われた結婚式。
ささやかで短いシーンだけど印象に残りますよね。
あのシーンを観てからの『フォールアウト』の
結婚式のシーンを観るとイーサンが
ジュリアに対してどう思って、何を望んで、
そして何を恐れていたのか、よく分かります。



そしてシリーズ史上最も(凶悪な)敵の登場。
これは故フィリップ・シーモア・ホフマンの
名演のおかげに他なりませんよね。
昨今の敵のように肉弾戦こそ強くはないですが
イーサンの弱みを的確についたいやらしい攻撃は
まるで『ダークナイト』のジョーカーのよう。
シリーズを通して最も好きな敵役です。



そして次に(チームワーク)を主とした構図。
今でこそチームで戦っているイーサンですが
そのイメージ、実は本作からなんですよね。
結果、興行収入的には伸び悩んではいますが、
実は、シリーズにおいて必要不可欠なテーマを
取り入れた重要な作品でもあるわけです。



ところで、本作のレビューでたびたび見かける
「ラビットフットって結局なんだったの?」
という質問。これこそが冒頭で述べた
マクガフィン(※罫線部下に説明)つまり
(置き換え可能なもの)なんですよね。



要するに、イーサンを突き動かす
という役割さえ持ってればいいので、
モノ自体はなんでもいいんですよ。
核でもウイルスでも、なんなら紙切れでも。
でもこの監督は面白いことに、
その物語を動かすための起爆剤に
わざわざ(幸運のお守り)の名を意味する
「ラビットフット」と名付けたんですよ。



つまりこの監督はマクガフィンを用いながらも、
意味のある名前をつけることで、
本作のテーマをも表しているわけです。
僕ら観客にとっての「ラビットフット」は
(置き換え可能ななんでもいいもの)
そしてイーサンにとっては(幸運のお守り)
つまり、ジュリアの事なのです。



本作の核であり、散々言われてきた
「ラビットフットを回収せよ──」という任務。
これは実は、イーサンの婚約者であり
幸運のお守りでもあるジュリアを
取り戻せというメタファーでもあるわけです。



(チームで戦うイーサン)と(愛妻家のイーサン)
という新たな要素を加えただけでなく
今まで築いてきた魅力を殺さず、かつ
最新作によってより面白みがました本作。
あれほどまでに熱く、シリアスな
イーサンが見られるのは本作だけですよ。
ぜひこの機会に観てみてはいかがでしょうか。

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マクガフィン:何かしらの物語を構成する上で、登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる、仕掛けのひとつ。登場人物たちの視点あるいは読者・観客などからは重要なものだが、作品の構造からいえば他のものに置き換えが可能な物の事。



かっこつけて「ラビットフット」の考察なんかしちゃってますけど、実は終盤まで普通に「マスグレイブめっちゃいい奴」だと思ってました。何回も観たはずなのにね😅そして毎回、囚われたイーサンの前に座ったマスグレイブを見て「えぇぇぇぇ〜!」って言ってる。そうです、ただのアホです。



2018年11月29日 79本目
Kou

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