これまで多くの人からドン引きされましたが、誰が何と言っても、私は主張し続けます。
『ザ・フライ』は映画史上に燦然と輝く純愛映画である!
世間との交わりを好まぬ主人公が、珍しく女性記者に積極的に関わろうとするのがファーストシーン。
まさに”ボーイ・ミーツ・ガール”の典型的導入なんです。
そもそも、オリジナルである『蠅男の恐怖』では夫婦だった2人を、クローネンバーグはわざわざ恋人に変更しています。実は、これこそが蠅男の形態よりも重要な変更点。
以後、物語の転換期はすべて、恋に惑った主人公の心理がキーポイントとなります。勿論、ラストシーンも愛する相手への究極の選択。
本作はSFです。グロテスクなホラーでもあります。しかし、本質は典型的なラブストーリーなのです。
草食男子という言葉が流行り、恋に奥手な男性が増えている今、恋愛下手で勝手にネガティブ思考に陥る主人公の姿は、必ずや胸を打つことでしょう。
という訳で、究極の純愛映画『ザ・フライ』から目を背けないで下さい。
これは貴方の物語です。