このレビューはネタバレを含みます
物語の構成、画面の構図、、その他のあらゆる要素が戦前から戦後にかけて作られたジャズ映画に影響を受けていることをひしひしと感じる。それでも音楽は日本の戦後歌謡そのもので、邦画でこんなミュージカル映画を作れるのだと感心してしまった。確かに現代の邦楽よりも当時の邦楽のほうが音楽性が豊かで、聞いていて実に面白く、その良さがとても出ている作品であるように感じた。
こんなミュージカル映画を邦画でも作れるのなら、ぜひ現代の日本人映画監督にもミュージカル映画に挑戦してほしいものである。否、映画に限らず、西洋作品の真似事ではなく、日本を舞台にしたミュージカルは演劇においても実現可能だろう。あとは日本特有の音楽性をどう物語に昇華し、まとめあげるのか。そういう新しい日本の作品をぜひ観てみたいものである。