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横道世之介のスエのレビュー・感想・評価

横道世之介(2013年製作の映画)
4.6
2021.11.17再鑑賞。

ファーストショット大事。80年代後半の新宿駅東口の俯瞰、これに心奪われてスタート。
とにかく微に入り細に入り、考証や美術や衣装が丁寧なだけで説得力が違うというのを強く感じました。当時小学生の私にとって「知ってるはずだけど知らない世界」がちゃんと見えました。これは原作とは別の映画『横道世之介』だからこそのすごさです。

固有名詞や実際の出来事をモチーフにしている描写など、時勢の往復と、世之介に纏わる友人たちの現在との絡め方が鮮やか(後半江口のりこの家のドアは注目)。決して「回想シーンのサンドイッチ」ではなく、過去の時勢が主役なので、観る者にとっても世之介は懐かしい存在になる。ラストシーンははらはらと泣ける。回を重ねるほど、懐かしさと恋しさが募り、私の邦画フェイバリット度も上がっていきます。

私のベスト吉高由里子でもあります。あの、天然お嬢様はべらぼうな破壊力。プールではしゃぐ前半もかわいいし、後半ベルばらを説明する件などもう銃殺必至。
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