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ファースト・カウのスエのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
4.0
冒頭に結末が示されながらもオープンエンディング。

本当に写真集のような眼福映画、という第一印象。暗い森に点在する黄色いキノコ、ひとりひとりがセルフビルドした小屋のテクスチャー、絵になっているカットが豊富で目が飽きません。

共通の貨幣もない西部開拓初期を舞台に、何もなく不自由に見えるけれど「"なにもない"がある!」とばかりに、犯罪というか不道徳な小商いを始める男二人。やってることのセコさに比べて、互いに大きな夢を語るところが良い。ちょっとしたアイデアでチャンスを掴めそうな自由さと不確定性もある社会が良かったです。成金や軍人と真逆の低体温異人種バディが愛おしいです。

プリミティブなドーナツを食べたくなる映画でしたが、終映後劇場の計らいで映画内のドーナツを再現したお店が観客を出迎え。いい映画体験となりました。
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