地球の生命エネルギーマナとか
先祖代々邪神の封印を守ってきた家系とか、神話とか…
ファンタジー色は強くなってるけど、ファンタジーな部分に踏み込み過ぎないことで、これまで通りリアル路線は踏み外してません。
むしろディザスタームービーとしての、阿鼻叫喚の地獄の様相。
このリアルな怖さは、のちのシンゴジラに受け継がれてるような気がします。
当然、怪獣や宇宙生物の存在が衆知の事実となっている作中独自の世界観にシフトしていくわけだから、こういう作品は、シリーズが進むごとに現実世界との乖離も進んでいきます。
だけど、例えば前回仙台という有数の大都市がまるごと消滅するという未曾有の大事件が起こったわけですが、そのことで経済や社会システムや国際情勢がどう変わったのか、ほとんど触れないんですね。
マクロな視点で描くと、シミュレーションが追い付かなくて必ずリアリティがなくなる。
ミクロな視点なら、おおむね変わらない一般市民の日常生活を見せることで、リアルが保たれるのだと思います。
前作のレギオンは聖書の一節に例えられたけど、本作のイリスは直接的に日本神話に絡めてきたかんじかな?
中二病のおっさんが出て来て哲学的に怪獣の存在意義を語ったりだとか、ちょっと小難しくなってて、これまでと毛色が違うのは確かですが、怪獣映画としての面白さももちろん健在です。
完結編としてとても良かった。
続きの脚本は書きようがない、と言うか書いちゃいけないと思います。
打ち切りとは違う意味での「ガメラの戦いはこれからだ!」なラストがかっこいい。