risa

ヴァージン・スーサイズのrisaのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

思春期の少年少女たちの自意識。手の届かない理想、現実と妄想の混沌。叶わないことに全てを費やして夢中になる時間。少女たちは大人になるにつれて、少しずつなにかを喪失していく。そして失ったものは、二度と戻らない。期待と幻滅を繰り返すことによる心の窒息死。 
「でも、先生は13歳の女の子になったことはないでしょう」(セシリア)

 十代のとき、「大人っぽい」と誰かに憧れるのは変だ。みんないつか大人になるのに、大人から子供にはなれないのに、早く大人になりたいと願う。強そうにみえるのはもう傷ついているからだったり、繊細すぎる故の自己防衛だったりする。傷つきたくて傷つくわけではない。

 内側と外側からの視線で歪んでいく世界。
 姉妹たちがいつも4人で行動していたのは、偶像化された正当でない視線を向けないのがお互いだけだったからでは?
 「姉妹たちが女として愛や死を既に理解していた傍で、僕らは子どもだった」

 『ヴァージン・スーサイズ』で、4人の姉妹たちはなぜ少年たちに自殺を目撃させたのか?
 わたしは、彼女たちは彼らに対してムカついていたからだと思う。自分たちが彼女らのヒーローのように恍惚として振る舞う様に。まるで自分たちが彼女たちを守りたいと、心から大切だと思っているかのように「見せかけ」ていた彼ら。
 1番無骨に、彼女たちに一方的な視線を捧げていたのは彼らだったのに。
 彼らは、彼女たちが死んだ後も、大人になってからも、その幻に視線を注ぎ続ける少年のままだった。
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