risa

君たちはどう生きるかのrisaのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

太平洋戦争中に母親を失った眞人が迷い込んだのは、これまでの理屈が通用しない別世界。そこでの冒険を描いた作品だ。この映画を論ずるには観点がありすぎるので、今回は作中で出てくる「積み木」についてのみ考える。
 世界を管理する後継者となるために、悪意に染まっていない13個の積み木を3日に1つずつ積むようにという大叔父。(もともと大叔父が渡そうとした石は悪意に染まっていた)だが、眞人は悪意がある自分にその石を触る権利はないという。
 (この作品は宮崎駿の自叙伝的な作品であるということから、この異世界は「スタジオジブリ」や「アニメ界」という見方もできる。この場合、それぞれの登場人物が誰を意図しているかは見るものによって解釈が変わる。)
 眞人には、悪意のない石であっても、悪意のあるものが触ることによって結果として汚れてしまうのでは?という恐れがあった。
 だが、人間には誰しも悪意と善意がある。元の世界がどれだけシンプルで良心的でも、悪意のない安定した世界になることは不可能なのでは?私たちが生きている限り、世界は複雑で不安定だ。
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