risa

哀れなるものたちのrisaのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ベラの成長の過程で軸となった要素について、論文にして3つの章に分けるとしたら、「性への探究心」「資本主義の敗北」「道徳の限界」かな。
インパクトのある肩の装飾が印象的な衣装も、異様なほど長い髪と理論を感じるスタイリングでバランスが取れていて魅力的だった。医学部に通い死体解剖を講堂で見学するベラが、ジャケットのみでスカートを履いていないのも、彼女の性質を衣装で上手く表現している。
空の色や雲の形か現実的でなく、空の多い構図ではまるで絵画を見ている気分だった。
エンドロールで額縁のようにならべられたスタッフの名前の羅列は、この映画が「作品」であることを私たちに改めて印象付ける。
不思議なほど大きな音で突如鳴り響く耳鳴りに似た音楽は、滑稽な人間活動への嘲笑のようだ。
原題の『Poor Things』の方が、邦題より大きなものを指している感覚で好み。
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