おださん

東京上空いらっしゃいませのおださんのネタバレレビュー・内容・結末

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

大学の上映会で視聴。
これは私には合わないかな〜〜〜微妙だな〜〜〜と結構中盤まで思ってたけど最終的にあ〜〜〜好き〜〜〜観られて良かった😭ってなった!(笑) 牧瀬里穂演じるキャンペーンガールのユウちゃんがスポンサーのエロ親父白雪(鶴瓶さんw)から逃れようとして交通事故で死んでしまったが、死神のコオロギ(死者が最期に見た人の姿になるのでこれまた鶴瓶)を騙して現世へと戻り、マネージャーの雨宮(中井貴一)に助けられながら地上で生きていこうとするお話。このストーリーが個人的にめっちゃ好みやったし、笑えるところもキュンキュンするところも泣ける切ないところもあってすごく良かった! 中盤まで微妙って思ってたとか言うたけど!(笑)
まぁでも最初合わないかなと思った要因はまず一番に古臭い(ていうか古い)変なCGがね…! N○Kの子ども番組みたいで(いやそれよりもレベルはさらにはるかにめちゃくちゃ低いけど←)、宇宙の感じとか背景段ボールに落書きしたんかみたいな…(笑)(ひどい) もうワイヤー見えてるやんってくらいなのも含めてクオリティが…って思ってしまったけど、まぁそこも時代が感じられましたね! 味よな、味!!(笑)
あとはなんせ牧瀬里穂がぁ…! いやこれ後からガッツリ覆るから気にしないでほしいけどほんっまに最初のほうは合わんかった!! 「んもう、何よお!?」的な、昔のアイドルか古い少女漫画みたいな、棒読みとまでは言わんけどそう言われてもおかしくないあっからさまにセリフっぽい話し口調がもうウワッてなっちゃって…! ユウちゃんの我儘で自由奔放っぽいキャラも相まって「こ〜れはヒロイン好きになれねえぞ〜?? 中井貴一は良いのに…」ってまぁまぁ中盤まで思ってたんすよね…😅 でも後で詳細に述べるけど屋形船のシーンやらラストダンスシーンやらラブシーンやら見て大好きになったのよ!!! いやなんか後半に行くにつれて演技も上手くなってってなかった!? 牧瀬里穂めちゃくちゃ可愛いな!??(ひどい掌返し) いやごめんよくよく考えると序盤のウザさ感じる可愛さから後半のどこまでも真っ直ぐな純真無垢ガチ天使アイドル的可愛さまで全部一貫して可愛いは可愛かったわ、個人的に後半のほうが好みの可愛さやったから合わないとか戯言ぶっかましてたけど牧瀬里穂は最初から最後までずっと可愛かった!!! 名ヒロイン!!!👏←
言い訳がましすぎるけどでもまぁ上記の理由から最初は合わない認定決め込んでたんですが、ハンバーガー屋でのアルバイトや屋形船のシーンなどを経て最後まで見たらなんやかや言うてもうぜーんぶ大好きになっちゃってたというね…! 合わないって言ってたCGもキャラも口調も全部が全部この映画の魅力になってるの、当時の“時代”を存分に感じられる空気感、クラシックなおしゃれさ、登場人物やシーンの美しさ、胸にじんわりきて泣けるストーリー、そのすべてから溢れる情趣がすごくてもう感傷に浸らざるを得ないから…!! ノスタルジックでクラシックな雰囲気大好き芸人なので全部ドツボでした!! いや〜すごいと思った!!!
ここからはひたすらに好きなところ上げるね!!!
まずハンバーガー屋でのアルバイトね!! 上映後の評論家の方によるトークで長回しで見せるシーンで〜的な解説があったんやけど言われたらなるほどがっつり長回しで、初バイトのユウちゃんがぐっちゃぐちゃのハンバーガー作んの、もう笑っちゃったよね!! 笑わせようとしている要素は多少はあるけどもそれよりも牧瀬里穂、ユウちゃんの一生懸命さがまっすぐに伝わってきてユウちゃんの好感度が(私の中でやっと)上がったシーンやった…! 名シーン!! その後かな? 公園で雨宮に「もう少しだけ置いてください」ってお辞儀するシーンがあんのやけどそれがまた可愛い…! 「雨宮はけなげでひたむきなユウがいじらしくなる」って大抵あらすじに書かれてるけど、わ、わかるわ〜!! こんなユウちゃん17歳は惹かれてしまうよ…!! それまで合わないと思ってたけど「おっ? いいのでは?」と思い始めたのがここ一連のシーンでした!
からのユウちゃんにがっつり落ちることとなるのは屋形船シーンね…!! いや牧瀬里穂演技力上がってるでしょ!? 上がってるよね!??← 雨宮とユウちゃんが2人で屋形船(の屋根上?)に乗るシーンなんやけど、そこでのユウちゃんの独白?が…!! 花束の薔薇の花びらをちぎって花占いみたいにしながら、「私、0歳。まだ赤ちゃん(みたいな、曖昧)」と話してて1歳、2歳と順に年齢言いながら自分の人生を振り返るわけなんやけど、「私、17歳。…死んじゃった!」って…!!😭 その言い方が暗すぎずしかし明るくはなりきれておらず、複雑な感情混ざりきっててめちゃくちゃ良いセリフやったんや…!! 17歳で死んじゃったんやなぁと今まで軽く受け止めてたことを改めて再認識させられてグッときた。しかもキャンペーンガールやってた頃のことを「私なんかじゃない」と苦しみ混じえて語ったうえでの17歳、「私、今がいい。今の自分が一番いい」ってセリフね…!! 死んでしまっているのにそれでも今がいいって、自分ではない華やかなキャンペーンガールの頃よりも、自分でいられる今がたとえ死んでいたとしても一番いいって、そんな、そんな切ないこと言う!?(泣いた) これらの名言、いいセリフがユウちゃんの口から畳み掛けるように連発されるし、屋形船も薔薇の花ちぎるのも全部時の流れの尊さを感じさせるような素晴らしい雰囲気醸し出してるし、切ないわ苦しいわで胸がキュってなったよ…!!😭 正直私は涙腺ゆるゆるなのでついポロっと泣いちゃったけど、でもただただ切ない悲しいだけのシーンでなくて、いい意味で淡々としているというか、おっきく盛り上げるというよりはじんわりと胸に沁み入らせるような、命・時間の尊さや、今を自分らしく生きることの大切さ、学校行ったりバイトしたり普通に毎日を過ごし生きていることの幸せを伝えてくれる、温かくて心に残る素晴らしいシーンでした。名シーン!!
そして極め付けはマジのマジのマジの名シーン、バーでトロンボーン吹き鳴らす雨宮さんとそれに合わせて歌い踊るユウちゃんのジャズ、「帰れない二人」終盤クライマックスね…!!(形容詞が多い) いや〜〜〜すごかった!!! なんて言うんやろうか、表現力?? とにかく伝わってくる何かがすごい、切なさとか当時の雰囲気とかノスタルジーとか哀愁とかエモさとか、め〜〜〜ちゃくちゃめちゃくちゃに良くて、筆舌に尽くしがたい“良さ”がとにかくここにはあるね…!! ていうかそもそも曲が良すぎるよねえ!?? 井上陽水と忌野清志郎の「帰れない二人」、名曲が過ぎるわ!! しかもシーンにぴっっったりすぎる!!! 男の人の歌とは思えないくらい女声の歌声に合ってて、綺麗で繊細なのにどこか力強さがある歌声(実はずっと牧瀬里穂が歌ってると思っててんけど後から吹替と知ったw)がすんごい良かった…明るい曲調なのに歌詞は堪らなく切ないの、めちゃくちゃに好みでいい歌だったぁ…。なんか感動して泣いたよ…。素晴らしい歌を先述した歌声が際立たせて、さらには牧瀬里穂の活き活きとした踊りが合わさり、めちゃくちゃ“生”を感じさせられる。(なんかこれ他のレビューで誰かが言ってたかもw) このシーンは白雪に復讐を果たした後の場面なわけで、死神から逃げている2人、特にユウちゃんにとっては、もうあとは地上生活の“終わり”に向かっていくしかない中でのシーンだから、今を精一杯生きている様子が一番に伝わってくる本当に素晴らしいシーンやった。そして切ない…! 終わりに近づく2人の愛が溢れているシーンでもあるから、本当に切ない…!! 歌い終わった後二人きりで熱い抱擁をぎゅうっと交わすのなんてもう…!!(泣いた) この世界に二人だけ、って感じがして、そのまま時が止まればいいのにと思うくらい切なく美しい時間だった。そしていやなんせ歌詞が…!!(2回目) サビの、「♪もう 星は帰ろうとしている 帰れない二人を残して」…。何で、何をどうしてこんなに切ない気持ちにさせられるんだろう、どうやったらこんな美しく素晴らしく表現できるんだろうね〜!?? とにかく感動するよ!! ほんっまに良いシーン!!! フルで見た時の感動とは比べられないけどここだけなぜかYouTubeで上がってるからマジで見てほしい、ユウちゃんの肩をトロンボーンでトンって押す雨宮さんさいっこうかよってなるから…。(萌えます😇🙏) あとついでに言うとこの後の車でのキスシーンもこれまた切なくて美しいんよなぁ…。恋愛映画かと言われると、恋していく様子が感じられなかったからそうじゃないと個人的には思うけど、17歳の女子高生とマネージャーの2人、彼女が幽霊となり地上生活を送ったその期間だけ2人に愛があって、その愛の形としてキスで幕引きを描いてくれていたのがすごく良かった。2人の愛のシーンですね。
あとおまけで好きやったところとしては雨宮さんのマンションと終わり方の2点! マンションはなんかもうエモさがバーリあるところが好き…。あの窓とか部屋の構造とかさぁ…! あと下の階の女性との関係性も好きやよ〜!! ベランダの縄ばしごで行き来すんのとか何なん!? 時代やぁ…自分はおそらく一生触れることができない当時の世界…ノスタルジック…エモいよぉ…。なんかもうこの後は普通にあの女性と結ばれてほしいんですよね。(いや雨宮引っ越すし確実に別れちゃってるのでこれはほんまただの願望ですが) ラストの終わり方、東京上空に上っていく時にユウちゃんがトロンボーン持ってっちゃったので雨宮は楽器店にトロンボーンを買いに来るシーンなわけですが、その時階段でユウちゃんそっくりの女子高生(牧瀬里穂)とすれ違うのが…! これまたエモくない!? なんというか余韻をバチバチに感じさせられてそこも良かったね!! その女子高生がユウちゃんの生まれ変わりではないと個人的には感じたけど、でもいつかユウちゃんも生まれ変わり普通の女子高生として幸せに暮らすのだろうということや、雨宮もいつまでもユウちゃんに固執するのでなく前を向いて生きていくのだということが表されているようで、すごく好みやった!
いや〜〜〜また長くなっちゃったけど本当に良い映画やったし名作でした! ユウちゃんの死の原因となった最っ低セクハラエロ親父・白雪への復讐がまさかの驚かし怖がらせて終わりというあまりにも可愛すぎるところ以外は特に大きな不満もありません!(笑)(いやほんま呪い殺しても良いと思うねん) 繰り返し見たくなる、人生の一本です!
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