おださん

母さんがどんなに僕を嫌いでものおださんのネタバレレビュー・内容・結末

-

このレビューはネタバレを含みます

大学の上映会で視聴。
めっっっちゃ泣いた…。なんかずーーーっと泣いてた気がする。全体の7割くらい泣いてたね。(笑)
実話を元に作られた映画で、母からの虐待を受けて育った息子が周囲の人々に支えられて愛を取り戻す話なわけやけど、あらすじ通り重くてしんどい中にもユーモアやほっこり感じられる部分があって、個人的にはすごく良かった! 好き!
俳優陣の演技が素晴らしくてね…!! それを堪能する映画としてもめためたに良かったと思う! 太賀さんのたいじが、ばあちゃんのお願いに答えて「僕は豚じゃない」と叫ぶ泣きの演技が…すんごいつらかったけどグッときた…。吉田羊さんの母親もめーちゃくちゃ怖いし嫌だし〜…!!😭 あんなん無理よ耐えられないよ…我儘で自分勝手に振る舞う最っ低な部分はほんまに嫌やった、吉田羊は何も悪くないのに演技力が素晴らしすぎて若干嫌いになるもん…。←
友達もみ〜んな最っ高に良くてだな〜!?😭 カナちゃんすんごい可愛かった…「私たち、みんっなたいちゃんのこと大好きだよ!」って言ってくれるのとかもう癒し成分すごい…。最初は絶対たいじとイイ感じになるかと思って観てたのに(後からネットで調べたら原作者の方は同性愛者だと公表してました)大将くんとかいうこれまた男前な彼氏がいるし、大将くんは大将くんで虐待の傷跡を隠すたいじと一緒にお風呂入って「俺たちには恥ずかしがるなよ」って言ってくれちゃう心意気まで完全に男前が過ぎるやつやし、でもそんな素敵な彼氏でお似合いの2人とわかっててもカナちゃんを嫁にもらいたくなるしでもうめちゃくちゃ好きでした!!
キミツくんもね…。語り出したら長いけど本当にいい味出してたよね…。外面良しの金持ちでたいじにめちゃくちゃ毒舌で絡んできたかと思えば、いつのまにか気を遣わずに本音をさらけ出して話せる絶妙なポジションの親友的人物になっていたという…ミュージカル劇団員らしいオーバーな立ち居振る舞いとかドラマや劇のセリフみたいな言い回しとか、そのすべてが魅力的で今作一の良いキャラやったと思うわぁ!!キミツくんのセリフ、「理解は気づいたほうからすべし」って、理不尽なようで真理をつく名言やったよね…それも哲学的で舞台的な感じやったし、言うタイミングといい優しさ溢れる姿といいほんまめっっっちゃいいやつだよキミツくん!! そして何よりウィンくんぴっっったり!! すごかったよ!!!←誰
でも虐待のあれこれ含むストーリー展開については賛否両論生まれそうな内容やと思ったな〜…。妊娠したカナちゃんの「子ども産むってすごく大変なことなんだなって思うよ」の言葉とかお母さんと話し合うことを勧めてくる友人たちとか、それが「子どもは虐待されても母親を愛してるんだ、親にも子どもを愛せない背景と理由があって本当は愛しているんだ」的な一般論として、すべての事例に当てはめるような解釈をしてしまう恐れもあると感じられたから、受け取る人にとっては批判的になってしまうかもしれないなぁと思った。個人的にはそんな風には解釈しなかったし、友人たちがたいじのことを応援していたのもたいじが母親のことをずっと愛していて話をしたいと思う気持ちをわかっていたからこそで、もしたいちゃんが虐待した母親が大っ嫌いでもう忘れたい、顔も見たくないという態度だったならおそらく友人たちもその傷跡を癒してたいちゃんの心を回復させてくれるまでで終わってたんじゃないかなぁとも思う。まぁここまでいくと拡大解釈しすぎかもやけど!(笑) 虐待についてもたいちゃんが母親のことをすごく愛せるタイプだっただけで、すべての人にこうは当てはまらないんだよ、ってちゃんとわかってたいよね。(たいちゃんがなぜそこまで愛せるタイプだったのかという点に関してはもちろん混ぜご飯の思い出があったからだとか色々理由づけはできるやろうけど考えたくない、そんなの人の感情だし、愛してることに理由つけるの難しいよ。←)
個人的にめっちゃイイなってなったシーンは(まぁほぼすべてのシーンがイイんですけど)、あのねぇ「ぞうさん」のシーンがねぇ…。なんか今思い出しても泣いてしまうなぁ。ばあちゃんの弟さんの言葉とたいちゃんに歌いかけてくれた「ぞうさん」のおかげで、たいちゃんが母親を好きだと認められた場面だと感じられたね。母親を愛するのってやっぱり普遍的なもので悪いことではなく無理に憎もうとしなくてもいいのだと“たいちゃんにとっては”感じたかっただろうわけで、それを言わせた弟さんとのやり取りが素晴らしかった。♪ぞうさんぞうさん、だぁれが好きなぁの、♪あーのね、母さんが好ーきなのよー。大好き。
お母さんについては、繰り返しになるけどもちろん賛否両論あるやろうなぁ。借金抱えてる問題が発覚した中病気で入院して、息子がロバの全身タイツで演劇やる姿を見せることで自己破産は恥ずかしくないと諭し、心動かされたのか退院後河原で語り合って結果和解(?)する、という…。最後に「愛してる」でも「大好き」でもなく「あんたがいてくれて良かった」というセリフだったのが…うん、ある意味深いけど誤解は生むよね…。結局母にとって都合良い息子みたいな捉え方もできるしな😅 「本当は2人目なんて欲しくなかった、跡取り求められたから産んだ」も「頼むから死んでくれ」も言った酷い言葉はえげつないくらいあるのに、それらへの謝罪も愛も伝えずに丸く収めた感あったからなぁ…。まぁある意味ではそれもリアルなのやもしれんね。ずっと必要とされてこなかったのに初めて必要とされたというのも、一つの愛の形という捉え方もできるし。まぁ解釈あれこれおいて、ラスト会話シーンとしてはたいちゃんの「大好物の混ぜご飯を食べるにはお母さんの味を再現するしかない」っていうセリフが一番刺さったよ。← 親子関係ってそういうところがある。ずるいと思いつつも仕方のないことなわけで、そういうところが好きであり嫌いであり、複雑よなぁ…。いやお母さんも虐待されてたり夫との不仲やったりマジ色々背景があったのはわからんくもないのよ、多分自分が同じ立ち位置ならどうなるかわからんもん。親子とはいえお互い人間同士であることには変わりないし、大人になるにつれて親子というよりもどこかで一人の人と人として付き合うようになる気もしてるし。でもまだ私は子ども側でしか結局考えられへんから、やっぱり親に対して厳しめな意見になってしまうというか、産んだなら責任果たせよという考えも消えへんのよ…。わかんないね…。あとお姉ちゃんもまだ関係修復されてへん時に母親に勝手に連絡先教えたの空気読めなさすぎて何なん?とは思ったけどな?? その辺りが未だにしっくりきてへんです(笑)
長いな! いやもういいわ、総括としては、結局母親は病気?で亡くなってしまったというラスト含め、和解かどうかの解釈含め、親子関係・虐待含め、私はストーリー面ではすっきりしたけど考え深まりまくってるからしてないっちゃしてない! でも考え深まったことに合わせて感銘受けたし、好きなタイプだったのも確か! 非常に良い映画だった!!
おださん

おださん