平成2年の男

パッセンジャーズの平成2年の男のレビュー・感想・評価

パッセンジャーズ(2008年製作の映画)
3.0
・海で泳ぐシーンといい、登場人物の造形といい、伏線のはり方がうまいなぁ。

・謎を解くつもりで視聴していたが、やられたなぁ。シャッターアイランド路線かと思っていた。

・オチがありきたりと感じるかどうかはその人の感性次第だが、本作の脚本書いた人、めっちゃ頭ええなと思った。思考誘導がナチュラルかつ結末に納得性のあるストーリーを作るのは難解すぎるパズルを解くのに似た大変さがある。

・多くの視聴者の場合、謎についてあれこれ要領を得ない解説をしているらしき20分のシーンを経てもいまいち理解できず「つまり、どういうことだってばよ?」状態になり、最後の最後でわかりやすいネタバレシーンが流れて「あっ、そういうことか!」とアハ体験する。
 私の場合、解説している20分のシーンで自身のオチ予想が当たっていることを確信し、視聴者が理解できないオシャンティーな解説をしちゃうの嫌いじゃないよと製作者側の意図に寄り添う構えを見せつつ、観察眼と洞察とを兼ねたハイブリッド脳を持つ己の罪深さに嘆息したりなどした。その後に分かりやすいネタバレシーンがラスト2分に流れ、自分のオチ予想がはじめから間違っていたことに気づいて愕然とした。