平成2年の男

007/カジノ・ロワイヤルの平成2年の男のレビュー・感想・評価

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)
3.8
・わたくしは本作を以て『007シリーズ』ヴァージンを卒業いたしました

・映画という表現媒体にとって避けられないご都合主義が「特級スパイのポンドならあり得るよね」という変換によって、ごく自然なものになっている。それを踏まえた上で、再翻訳されたシナリオの出来が素晴らしい。

・英国紳士とは、いかなる失態を犯したとしても表面上は完璧に取り繕う人種である。

・ダサいはずなのにカッコいい。憎たらしいくらいに洒脱なのである。このギャップを体現しているのがポンドである。

・ヒロインの描かれ方については、邂逅から恋に落ち、最後の顛末に至るまで、そりゃ仕方がないよね、と視聴者に思わしめる甘さと苦さがある。マリアージュな作品であった。