円柱野郎

バベルの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

バベル(2006年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

タイトルからも分かるとおり、旧約聖書のバベルの塔から着想を得て作られている。
だけど単純に言葉の隔たりだけではなく、国の隔たりであったり、心の隔たりであったりというようにテーマのバラエティはエピソード毎に多彩。
一見、銃撃事件を軸にしている話かとも思ったけれど、見てみると各エピソードはそれほど強く結びついていなかった。
むしろ完全にオムニバスでもいけるかと思ったくらい。
各エピソードを纏めたかったので銃撃事件を描いたとも思えなくもない感じ。
まあ最後に時間軸がハッキリして、纏まった感はあるけどね。

ストーリーはテーマがテーマなだけに重い。綺麗なお話でもないので観ていて少々気も重くなる。
退廃的に描かれる日本パートも、日本人の俺としては微妙な気分になる。
ただ、監督がインタビューで「隔たりを描いた映画を撮り始めたら、人のつながりを描いた映画になった」と言うのは確かにそうだと思ったね。そこに救いのある映画でした。
円柱野郎

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