しゅんすけ

(500)日のサマーのしゅんすけのレビュー・感想・評価

(500)日のサマー(2009年製作の映画)
5.0
「(500)日のサマー」

大学生のときに出会って、何度となく観ている作品です。
本当に大好きな映画です。

建築会社に勤めるのが夢だったものの、グリーティングカードを作る会社に勤めている、中身にこれといった芯がない男・トムの恋愛の顛末を描くのですが、見ていて、「うわ、これ、自分だ・・・ 自分は痛いやつだな・・・」と思う描写がいくつもありました。自分の好きな曲に恋に溺れている自分を重ねあわせすぎたり、曲のボリュームをわざとあげて気を引こうとしたり、自分の好みを相手に押し付けたり、「理想と現実」の2分割の画面は爆笑しつつも、苦々しくてたまらなかったです。

トムが恋する女の子の名前が Summer Fin(夏の終わり)ということで、結末のある展開と重ねあわせると「あー、なるほどね」という感じで、あらかじめ、2人の恋の行方は暗示されてるわけですが、2人の恋が成就するよりどうこうよりも、サマーの内面を説明はしないため、自分の恋愛観とかそういうのをグルグルと考えこんでしまう作品になってます。

サントラも買って、一時期はすごく聞いていました。
トムがよく聞く、ザ・スミスの「There is a light never goes out」の中に「トラックに2人とも轢かれたとしても、君のとなりで死ねるならそれでいい」みたいな歌詞があって、そういったトムの恋に盲目になっている状況とマッチした選曲もお見事でした。

苦い展開が個人的には好みというか、この作品に出会ってから、安易なハッピーエンドに到着しない恋愛映画を好んで観るようになったと思います。

めちゃくちゃおススメです!