HicK

任侠ヘルパーのHicKのレビュー・感想・評価

任侠ヘルパー(2012年製作の映画)
4.0
《ヤクザ×介護。生々しさ》

【リンク】
「ヤクザ×介護」という異質な組み合わせ。「弱気を助け、強気をくじく」の主人公の任侠道に反し、高齢者から金を巻き取って生きていく現代ヤクザ。貧困ビジネスで繋がるヤクザと介護。ヤクザの緊迫感と介護に関わる家族の張り詰めた現状がリンクする。実際の社会問題を切り取りながら、よく掛け合わせたなとちょっと感動。

【ドラマから】
TVドラマの続編と言えどストーリーは完全に独立。しっかりと一本の映画として成り立っている。しかもドラマの時よりもトーンは落とされ、地に足のついたテイストになってると思う。コメディー色もかなり削がれてる。脇役で唯一ドラマから出演しているのは黒木メイサ。出番は少ないものの、彦一とのシーンはグッときた。

【ベストシーン】
安田成美演じるヨウコが車の中で泣くシーンが良かった。ドン底の状況の中、彼女の母と自身の子供達が泣きわめき、板挟み状態。全員で泣き叫ぶ姿は「もうここで終わり。行き止まり」という人生の終着にも思えて、いたたまれない。そして車の狭い空間は彼女が生きている世界にも見えた。

【総括】
ドラマよりも「痛み」が伝わってくる生々しい物語。ヤクザと介護を掛け合わせた意味も大いに理解できた劇場版だった。ドラマのシリーズものっていうのが逆に邪魔になってる気もする。

もちろん、
草彅剛の演技は最高。
LOVE PSYCHEDELICOのエンドソングも最高だった。
HicK

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