ひらさま

燃える戦場のひらさまのレビュー・感想・評価

燃える戦場(1970年製作の映画)
3.2
邦題とは裏腹に燃えないお話
監督はロバート・アルドリッチだけど、作品により落差が激しくて、本作はかなりカッタるい仕上がり
そもそも尺が長すぎるし、途中睡魔と戦いながらの鑑賞となる
米軍、イギリス軍、日本軍を比較的平等に描いていて、とくに日本軍は規律が保たれていて1番優等生的に見える
逆に米英軍は規律崩壊、やる気もなければ盗人まがいの蛮行も平気で行うし、何やらどーしょーもない連中ばかり
そんな米英軍と日本軍が繰り広げるジャングル内での追いかけっこが本作の全て
イギリスに対する偏見がありそーな米軍指揮官を寡黙に演じるのがクリフ・ロバートソン
そんな米軍に皮肉で応じるイギリス兵をマイケル・ケインが演じるも、ふたりとも共感出来ないキャラでお気の毒
日本軍の指揮官を演じた高倉健が1番の儲け役
捕虜の敵兵に対して情けをかけるなど好感度抜群ながら呆気なく背後から射殺されて、これまた気の毒
劇中で話される日本語がしっかりしていて、高倉健の英語も流暢
アルドリッチ初め脚本家はそれぞれの国民性を良く勉強したと思われます
さほど派手な戦闘シーンもないまま、生き残ったロバートソンとケインの2人が敵前でジグザグに走りまわり味方陣営を目指す
しかし1人が銃弾に倒れるが、どちらも顔を見せず、生き残ったのが誰か謎のままラストを迎え、その後種明かしとなる
まぁミステリーじゃないんでどーでも良いけど、こんなんが見せ場となるくらいなんで景気の悪さは計り知れる
冒頭では司令官役でヘンリー・フォンダがゲスト出演してます
イギリス側はイアン・バネンやハリー・アンドリュース、デンホルム・エリオットなど名の知れた役者を揃えていて、キャスティング的には豪華です
又、本作はアルドリッチの「特攻大作戦」のスピンオフ…らしいけど、どの辺がスピンオフなの?