銀幕短評 (#285)
「仕立て屋の恋」
1989年、フランス。 1時間 20分。
総合評価 32点。
取って付けたようなはなしである。そもそも、作っていて いったいどこがおもしろいのだろうか。
モチーフは、中年男の仕立て屋が、自室から向かいの家の若い女の生活をひたすら のぞき見することだ。「マレーナ」(#279、37点)や「よこがお」(#277、33点)でものぞき見のモチーフは使われていたが、ここまでの あからさまな のぞきはなかった。
わたしの父が 仕立て洋服屋(テーラー)であることは「ファントム・スレッド」(#200、95点)の回で書きました。この映画では 主人公が仕立て屋と分からせるカットは30秒となかったが、どうしてその職に設定したのだろう。たぶん仕立て屋といえば、実直で のぞき見からはほど遠いイメージがあると考えたのだろう。
わたしだって 父よりはもっと実直だ。のぞき見映画に40点以上はつけていないからな、いまのところは。