Risa

エレニの旅のRisaのレビュー・感想・評価

エレニの旅(2004年製作の映画)
4.8
始まりのシーンから、堪らないです。
今までのアンゲロプロスの中で1番魅力的な映像が続き、脳裏に焼きつきます。

対岸から始まり、水に沈む村、エレニの白いドレス、汽車の音、音楽の旅芸人、イカダの上に佇む人々、水はけの悪い芝生、白いシーツを大量に干しているシーン、もう、名シーンばかりです。

マリア様の絵を持った女達が焚き火の周りを回るシーン、音も相まって アンゲロプロスの割に妙に異様で記憶に残りました。

民主主義の自殺、不運ばかりで呪いにかかったようなギリシャ。

水に沈み行き、音楽を奏で、なんとか陸に立っては逃げてを繰り返す人々は、ギリシャのお隣元ユーゴスラビアを描いたアンダーグラウンドのラストシーンを思い出してしまいます。

今も尚、移民に悩まされているギリシャ。

さて、私がアンゲロプロスを見るのやっと6作目です。
あと4.5作は見ます。
長いもの残してます。。
でも、アンゲロプロス見るの慣れてきたのかもしれません。最初は眠くて眠くて、戦争事情もあまり知らないまま見ていたものが、事情も解ってきて、アンゲロプロスの癖も解ってき、推測出来るようになってくると、集中もそこそこで観れるようになってくる訳です。

不思議な事に こんなに眠くなるのに 次を次をと観たくなるんですよ。
美しい映像、微かに耳に残る音楽、声、悲しいストーリー、思い出の断片の掘り返し、、
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