このレビューはネタバレを含みます
お母さんが最後に残した、共にいることがなにより大切という言葉の重みがすごかったです。
長く手元で育てた望まなかった子供たちと、ただ一人愛する人との間に生まれて育てることもできず自分を犯した子供。
最後に直面してしまった以上、愛や憎しみなんていう簡単な言葉では片付かない情念を放り出すこともできず、でも解決なんてそれ以上にできず、答えの出ないままでも苦しみながら「共にいる」ことしか望めない。
答えを求めざるを得ないほどの苦痛に、答えなど出ない覚悟で苦しみ続ける勇気がどこかで人間には必要なんだろう。