Amber

人生はビギナーズのAmberのレビュー・感想・評価

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)
3.8
イラストレーターであるオリヴァー(ユアンマクレガー)は、父親ハル(クリストファープラマー)を数日前に看取り、遺品を整理して手狭な部屋に引っ越してくる。
あるパーティで魅力的な女性アナ(メラニーロラン)に出会い、関係を深めようとするが、自分にはうまくできないのではないかと不安になり、彼女を遠ざけようとしてしまう。
同時に厳格な美術館長であった父親が、75歳でゲイであることをカミングアウトし、その後恋人を持ち、ゲイ仲間を作り、晩年は癌に侵されながらも楽しく過ごしていたことを回想し、父との思い出が自分の背中を押してくれる…。

まず、ハルの愛犬でオリヴァーが引き継ぐことになるジャックラッセルテリアのアーサーがほんとに可愛いです。
友達に預けられると、すごく悲しそうに鳴いたり(それに対するオリヴァーの反応も愛情深くてステキ)、哲学的にオリヴァーに語りかけてきたり。
そしてクリストファープラマーの自然な演技。ハルは75歳まで自分がゲイであることをひた隠しにして、妻であるジョージアと結婚するときも『私が治すわ』と言われ、自分でも『治さないと』と思う。治るわけないのに。治さなくていいのに。
でも、それが時代だったんですね…。
どれほど自分が抑圧されて苦しかったかを想像すると胸が痛みます…。
でも、カミングアウトしてからのハルは、息子と沢山買い物をし、男性の恋人を作り、人生を謳歌していました。

そしてとてもキュートなメラニーロラン。
オリヴァーとアナがお互い不器用な感じでお互いを想い合うのが素敵でした。
誰の人生もすべて初めて起きることだから、みんなビギナーズ、というメッセージはとてもよかったです。
私も自分の人生にこれから何が起きるのか、いつも楽しみにして生きていきたいと思いました。
Amber

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