ユミコ

処女の泉のユミコのレビュー・感想・評価

処女の泉(1960年製作の映画)
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純真無垢で、まさに赤ずきんちゃんのような少女、カーリン(ビルギッタ・ペテルスン)が、教会にロウソクを届けに向かう道中、見知らぬ男たちにレイプされ、呆気なく殺された。復讐を誓った父親(マックス・フォン・シドー)は、やがて犯人らを皆殺しに。そして愛娘の亡骸の元へ向かうのだった。

ラストこそ神秘的だが、それが慰めにも癒しにもならないレベルの後味の悪さ。モノクロの美しさ際立つ映像美が、皮肉にも忌々しさを倍増させた。
宗教色が濃く、神は存在するのか?を考えさせられるような映画はいくつか観たけれど、中でも最も強烈なものだった。良くも悪くも忘れられない作品になりそう。全く罪の無い力弱き少女と少年だけが理不尽で無残な死に方をしている。これらからも、神…というか、万能の神が存在するとは考え難く、人間の個々の妄想めいたものや拘り、心の拠り所なのだろうと思う。
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