広島カップ

グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-の広島カップのレビュー・感想・評価

3.8
約30年振りに観ましたが音楽と女がなんだか安く感じてしまいました。若い頃には特に感じなかったのはきっと本作の他のイメージの方が素晴らし過ぎたのでしょう。ダイバーの男二人の海への同化具合の前には両方とも安すぎます。
音楽も女もこちらの心の深海には届かないで海面近くをユラユラしている。

やたらに酒を飲んで酔っ払ってはキャハハハッと叫声を上げて笑う大都会N.Y.から来た女。若きダイバー、ジャック(ジャン=マルク・バール)の心の海になれないことは二人が会った時から感覚的に直ぐに分かりました。

イルカを友にする海男ジャックという特異な人間。
たぶん人類の中でも体液組成が最も海水に近い男。
遺伝子構造がイルカに酷似していると思われる男。
陸から海に還るのが自然ではないかと思わせる男。
そんな魅力的な男をおそらく映画史上初めて描いた作品でした。

深く潜水をして行く時の感覚と、明るい海上で海をバックにしたウエットスーツとゴーグルの色とデザインのセンスがいいなあと思います。

音楽はヴァンゲリスに任せてみたかった。
広島カップ

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