広島カップ

COUNT ME IN 魂のリズムの広島カップのレビュー・感想・評価

COUNT ME IN 魂のリズム(2021年製作の映画)
3.0
バンドのリズム形成を担うドラマーに焦点を当てたドキュメンタリー。
ジャズドラマーについても少し触れていましたが、大半はロックドラマーについてのもので、どちらかというと大勢紹介されている彼らの特徴紹介的列伝になっている。
ドラムスとは何か?ドラマーとは何か?といった問いかけは薄いので、却ってそうしたものについて考えてしまう。

ロックバンドではリズム形成がとりわけ大切で、そのバンド内におけるドラマーのポジションはステージ上での彼の立ち位置が象徴している。
大概は一番前には来ないで、ボーカリストもギタリストもドラマーを背中に背負って演奏することになるが、左右方向で見ると中央に位置していて、つまりバンドのど真ん中の存在。
Vo.もG.も彼がいるお陰で自由に演らせてもらっているという感じがこれを観ると濃厚にする。

それぞれのドラマーの演奏スタイルについても色々と紹介されている。
私はドラムスに関しては門外漢なので珍紛漢紛でいちいち首肯したりはしませんでしたが、演奏スタイルの共通点として気がついたのが彼らの首の動きでした。
ドラマーは腕と脚で音を出しますがその源は首ではないかと思って観ていました。首を動かさないで叩く人は皆無。しかも殆どが激しく頷き方向に動かす。ギタリストやボーカリストはのけ反ったりしますがドラマーにはあまり見かけない。
チャーリー・ワッツ(The Rolling stons)が一番その動きが少なかったですが他のドラマーは皆首で叩いている。ハードロック系の人は特に頚椎の状態が気になってしまいます。

私からすると懐かしい顔が多くて、ロジャー・テイラー(Queen)は昨年末のNHK紅白歌合戦で本人を確認済みでしたが、トッパー・ヒードゥン(The Clash)がこんなに老けていることにビックリ。パンクは遠くなりにけりです。
紹介されていたドラマーの中で私のお気に入りはジム・ケルトナー。セッションミュージシャンとして多くのアーチストに重用されている彼ですが特に私はライ・クーダーと組んだ時の彼が好きです。ジムもチャーリー同様にあまり首を動かさないドラマーです。

人生に色々と重たいものを背負ってそうなドラマーはキース・ムーン(The Who)だけで他のドラマーは楽しそうに叩いていて、次に生まれて来たらドラムスをやってみたい!と思わせるドキュメンタリーでした。
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