こたつムービー

張込みのこたつムービーのレビュー・感想・評価

張込み(1958年製作の映画)
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WOWOWにて。
「日本のオットープレミンジャー」(とオレ思う)野村芳太郎38歳の時の松竹作品。

1958年産というのも味わい深い。

なぜならこの映画のもつ刑事描写の「スーパーリアリズム」感は当時隆盛していた主にフランス映画のリアリズム表現を想起するし、当時としては相当ハイブロウな手法だったはずだからだ。黒澤明は63年にスーパーリアリズム「天国と地獄」を撮るが、刑事映画を撮るにあたりこの「張込み」は当然押さえたろうね。それくらい取材が行き届いている感が画面から伝わってくる。脚本は橋本忍。

そんなわけなので、スジは単純でなんてことないお話だが緊張感を持って観続けていられる。また(昔の現代劇は常に、だが)日本の失われた風景情緒も今や半端なし。