ふき

ポーラー・エクスプレスのふきのレビュー・感想・評価

ポーラー・エクスプレス(2004年製作の映画)
2.5
「サンタがプレゼントを配るには光より速く動かないといけない」という命題を、真っ向から解決した作品。
いや、ロバート・ゼメキス氏が監督している時点で、解決していると言えなくもないか。

……真面目な話、「サンタを信じる」って件がものすごく曖昧に片付けられたのが残念だった。
主人公は最初、サンタを信じられなくなっている。それはこの作品に相応しいスタートだと思う。
お話が進んで、ポーラー・エクスプレスに乗り込んで、色んな不思議な体験をしたのに、他の子供が聞いている音が主人公には聞こえない。クリスマスを楽しみに思えなかった子供にも聞こえるのに。それも面白い対比だ。
更にお話が進んで、北極点に行ってプレゼント製造工場を実際に見て、サンタが登場する件になってもまだ、鈴の音が聞こえない。ここまできても聞こえない。この主人公にはどんな問題があるんだろう。どうやって解決するんだろう。ワクワク。そしたら……。
「心の中で強く「信じます」と思ったら聞こえた!」
さすがにガクッときた。一番盛り上がるところだっただけに。

サンタクロースやクリスマスという「いいこと」を題材にと使ってはいるが、本作が描いた結末は洗脳だ。それが分かった上で「でもCGはいいよね」と楽しめる大人は問題ないが、子供に見せるのはよくないと考える。
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